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深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PTE)

深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PTE)は、血管の中に血のかたまり(血栓)ができて起こる病気で、あわせて「静脈血栓塞栓症(VTE)」と呼ばれます。「エコノミークラス症候群」という名前で知られることも多く、長時間同じ姿勢を続けることが発症のきっかけになる点が特徴です。

深部静脈血栓症は、主に足の奥にある太い静脈に血栓ができる病気です。血流が滞ることで起こりやすく、長時間の同じ姿勢(長距離移動や安静)、手術後、脱水、がん、妊娠・出産、加齢などがきっかけになることがあります。症状としては、片側の足の腫れ、痛み、重だるさ、皮膚の赤みや熱感などがみられますが、症状がほとんど出ない場合もあります。

肺血栓塞栓症は、足などにできた血栓の一部が血流に乗って肺の血管に詰まることで起こります。これにより肺での血液の流れが妨げられ、体に十分な酸素が取り込めなくなります。突然の息切れ、胸の痛み、動悸、咳、ひどい場合には失神などが起こることもあり、命に関わることもある重い病気です。

深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症は密接に関係しており、足の血栓が原因で肺に障害が起こることが多いため、足の異変や息切れなどの症状に早く気づくことが大切です。日常生活では、長時間同じ姿勢を避けてこまめに体を動かすことや、水分をしっかり取ることが予防につながります。

深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の診断

深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PTE)の診断では、症状、血液検査、画像検査を組み合わせて総合的に判断します。特に肺血栓塞栓症は重症化することがあるため、早く正確に状態を把握することが重要です。

まず診察では、足の腫れや痛み、左右差、息切れ、胸の痛み、動悸、失神などの症状がないかを確認します。あわせて、長時間の移動や安静、手術後、脱水、がん治療中など、血栓ができやすい状況がなかったかを詳しく聞き取ります。

血液検査では、Dダイマーという項目を調べることがあります。これは体内で血栓ができて分解されている可能性を示す指標で、数値が低い場合は血栓の可能性が低くなります。一方、数値が高い場合には、画像検査で詳しく調べる必要があります。

画像検査として、深部静脈血栓症では足の血管を超音波(エコー)で観察し、血管の中に血栓があるか、血流が保たれているかを確認します。痛みや被ばくがなく、体への負担が少ない検査です。

肺血栓塞栓症が疑われる場合には、心エコー検査やCT検査が行われます。心エコー検査では、肺の血管が詰まることで心臓、特に右側の心臓に負担がかかっていないかを確認します。心臓の動きや大きさを調べることで、病気の重症度を判断する手がかりになります。CT検査では、肺の血管を詳しく映し出し、血栓が実際に詰まっていないかを直接確認します。

これらの検査結果を総合して診断を行い、緊急性や治療の必要性を判断します。

深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症の治療

深部静脈血栓症の治療の目的は、足の静脈にできた血栓が大きくなるのを防ぎ、新たな血栓を作らせないこと、そして血栓が肺へ移動するのを防ぐことです。治療の中心は、血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬)です。これにより、体の力で血栓が徐々に小さくなるのを助けます。治療は数か月以上続けることが多く、医師の指示どおり継続することが重要です。
足の腫れや痛みが強い場合には、安静とともに足を少し高くして休むことがあります。また、弾性ストッキングを使用して血流を改善し、症状の軽減や再発予防を図ることもあります。日常生活では、長時間同じ姿勢を避け、適度に足を動かすことや十分な水分摂取が大切です。

肺血栓塞栓症の治療の目的は、肺の血管の詰まりを悪化させず、心臓や体への負担を減らして命を守ることです。基本となるのは深部静脈血栓症と同様に抗凝固薬による治療で、血栓の拡大や再発を防ぎます。肺血栓塞栓症では、症状や重症度に応じて入院が必要となることが多く、呼吸や心臓の状態を慎重に管理します。
状態が重い場合には、血栓を早く溶かす治療や、カテーテルを使って血栓を取り除く治療が行われることもあります。治療後も再発予防のための薬物治療や生活上の注意が重要です。